防錆油

鉄鋼を主とした金属材料および金属製品の「さび」の発生を一時的に防止するために使用する油剤です。

「さび」とは??

ほとんどの金属は、自然界では何らかの化合物の形で存在します。その化合物の形が、金属が自然界において安定な状態であり、そこへ精錬という外部からのエネルギーを加えて必要な金属のみを単離しています。こうして出来た金属は、自然界においては準安定な状態であり、酸素を取り入れて安定な状態である金属の酸化化合物に戻ろうとします。この現象が「さびが発生する」と言われるものです。

防錆油の代表的な役割

腐食因子の遮断
さびの発生原因である水と酸素、さびの発生を助長する海塩粒子等を遮断し、金属表面に接触しないようにします。

水置換作用
空気中の水分が凝縮したり、前工程にて水溶性加工油剤での加工を行っている場合、金属表面が水に濡れた状態になります。このような場合、防錆油を塗布した際に金属表面から水を押し除く水置換性が求められます。

腐食物質の不活性化
防錆油中に分散している防錆添加剤が、さび発生の原因となる水、酸、無機塩などの有害物質を可溶化したり、有害物質と結合することによって不活性化し、さびの発生を間接的に防ぐ性質があります。

防錆油の種類

防錆油はその使用方法や組成、性状、塗布後の油膜の状態などによって様々な種類があります。